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香山リカのココロの万華鏡

毎日新聞 2010年5月11日 にて。

京谷さんの話題がでたし、今のひとつ前の仕事のことも書いてあったので。

「元Jリーガーで、現在は車椅子バスケットボールの日本代表として活躍する京谷和幸さんに
お会いする機会があった。京谷さんは、交通事故で脊髄(せきずい)を損傷し、
車椅子生活を送っているのだ。

 スポーツ選手以外にも、京谷さんは障がい者専門人材サービス事業で助言を行う、
〓障がい者リクルーティングアドバイザー〓としての顔を持つ。
私はその仕事に興味津々だったが、今回は主に京谷さんがインタビュアーとなって
私に質問を繰り出す役目で、私はもっぱら答え役。
しかし、その中でもいろいろおもしろい話が聞けた。


 私が携わる精神医療の世界でも、慢性的な疾患を持っている人たちの就職、
転職はとてもたいへんだ。病気のことは伏せて就職活動をするか、それとも通院、
服薬などに理解ある会社を探すか、さらには障害者手帳を取得して
障害者雇用枠での就職とするか。患者さんとの綿密な〓作戦会議〓を繰り返す。

 しかし、「できるなら一般枠でチャレンジしたいけれど、
無理して再発しては意味がないので、障害者枠を狙います」とせっかく決意してくれても、
ハローワークに行くと意外なほど求人がなくがっかり、というケースもある。
とくに精神障害の場合は求人が少ない。

 「いまは障害者を雇用しようとする企業に対する助成金制度もありますよね、
それなのに求人がないということは、助成金だけでは限界がある、ということですか」。
そう京谷さんに聞くと、こう答えてくれた。
「そもそも、そういった助成金があるということさえ、知らない企業がまだまだあるんですよ。
手続きもけっこう面倒なので敬遠するところもあるし……」

 その話を聞いて、私は目からウロコが落ちる思いだった。
診察室にいて、「助成金もあるんだから、障害者の雇用はもっと
増えていいはずなのにおかしいなあ」と首をひねっていたのだが、
そういった制度があるということさえ、知らない企業や経営者もいるとは。
だとしたら、たしかに雇用は増えないはずだ。

 車椅子バスケットばかりでなく、「障害者と仕事」の最前線でも戦う京谷さん本人は、
プロレス好きでユーモアのセンスあるナイスガイだった。
「今度、プロレスバーに行きましょう」とお誘いしたが、
そこではじっくり、リクルーティングアドバイザーとしての話も聞かせてもらうつもりだ。



あともうひとつ記事を。
ハダーズ初優勝した時のこと
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by biroism | 2010-05-24 20:30 | 車椅子バスケットボール
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